心拍出量は、麻酔中はもちろん、患者管理上極めて
重要である。現在、肺動脈カテーテル手法が主流であるが、
より侵襲度の少ない方法が求められている。
食道超音波心臓監視方法が広く採用されつつある。
主な方法
冷却水注入のサーモダイリューション手法は過去30年
に亘ってゴールドスタンダードであった。この方法によれば
その他有用な指標も同時に得られる。
三回の平均をとれば、真値の10%以内が約90%保証
されると言われている。なお、最近本方法によって、
血管外科患者が予後の改善はなかったとの報告が多く
発表されている。更に、心臓外科患者やバイパス術患者も
この方法の有用性が疑問視されている。従って、本方法
による診断指針も最近見直されている。
連続サーモダイリューション心拍出量
この方法も、予後が改善した結果は得られていないとの
報告が多い。 |
非観血方法
食道式超音波エコー法
現在二次元表示であるが、三次元もまもなく普及しようと
している。ただ一つ、コストが高い点であり、将来の主流と
考えられている。
胸隔式バイオインピーダンス手法
これは1966年から試みられてきた。この方法は経過をみる
には大変有用になってきたが、絶対値はまだもう一歩と
言われている。但し、ACバイパス術患者へはサーモダイリュー
ションと相関していると報告されている。この方法の最大の
長所は、連続測定のケースで発揮されている。
ガス分析手法
この方法は現在各種のデータが採集中で、まだ結論は出て
いないが、心臓外科患者では、当該方法の値は高めにでる
との報告がある。 |